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警察官とかかわる学問は?

警察官とかかわる学問は?

ドラマや小説内で活躍する「犯罪心理捜査官」や、凶悪事件の解説でテレビに登場する「犯罪心理学の専門家」。「格好いい!」と憧れを抱きつつも、「犯罪心理学ってどんな学問なんだろう?」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
実は、警察の仕事とも縁が深い学問である『犯罪心理学』。ここでは、その学問の成り立ちと目的、そして警察とのつながりに迫っていきます。

犯罪心理学の歴史

19世紀のイタリアの精神科医チェザーレ・ロンブーゾは、囚人の頭蓋骨の解剖や受刑者の容姿研究を元に、「犯罪者には、共通する身体的特徴・精神的特徴がある」「それらは先天的なものであり、犯罪者は人類の進化が不十分な別の種である」という主張を展開しました。その学説は当時多くの学者に批判されましたが、犯罪者の人格に迫ってその特徴を分析し、分類を進めた彼の研究は、現在の犯罪心理学の基礎となりました。

犯罪心理学ってどんな学問?

犯罪行為にいたる背景には、本人の育った環境や人間関係、心理的な特性、生物学的な特性などがあるとされます。そのなかでも、心理学の知見や方法論を用いて「犯人が犯行におよんだ深層心理」を追求するのが犯罪心理学の学問としての特徴です。「なぜ、犯人は犯行に及んだのか?」を検証することで、同じような犯罪を二度と社会に起こさないようにすること、また犯罪者の更生に役立てることを目的としています。また、犯人の行動や犯行内容から犯人の性質・特徴を推測し、「こういうパターンの犯罪の犯人にはこんなタイプの人間が多い」と推測する「プロファイリング」も、犯罪心理学の考え方に基づくものです。事件が起きたときに行われる個別のプロファイリング結果は捜査員に伝えられ、捜査を効率的に進めるツールとして利用されています。
 このように、犯罪心理学は「犯罪捜査をサポートする」ことに加えて、「社会から犯罪そのものを無くすため」に広く用いられています。

犯罪心理学を活かせる仕事

犯罪心理学に関連した仕事は、警察組織の中にもいくつか存在します。

・科学警察研究所の研究員
千葉県柏市にある科学警察研究所は、警察庁の研究機関です。科学捜査についての研究・実験およびこれらを応用する鑑定・検査、犯罪の防止や少年非行防止についての研究・実験、交通事故の防止についての研究・実験などを行っています。業務対象は幅広く、生物学、医学、化学、薬学、物理学、農学、工学、社会学、教育学、心理学などの専門的知識・技術を有する研究職員が、それぞれの専門に応じた部門に配置され活動しています。心理学の専門家は、捜査に関する研究部門、少年非行に関する研究部門などに所属し、海外の学会参加や研究者との交流をしながら最先端の研究に従事します。
科学警察研究所の研究員になるためには、「国家公務員採用総合職試験(国家公務員Ⅰ種試験・人間科学Ⅰ)」に合格し、警察庁に採用される必要があります。ただし、毎年募集がある職種ではないので、その点には注意が必要です。  
試験は院卒者区分と大卒者区分があり、専門試験の科目は心理系or教育・社会・福祉系のいずれかから選択することになります。

・科学捜査研究所の研究員
科学捜査研究所は、警視庁および道府県警察に設置されている研究・鑑定機関です。心理学の専門家は各県2~5名程度所属しており、ポリグラフ検査(うそ発見器)、プロファイリング、文書鑑定などの仕事を通して犯罪捜査に協力しています。警察署や捜査課との連携が強く、犯罪現場を訪れたり、容疑者・目撃者・被害者と接したりする機会が多い職種です。
 科学捜査研究所の職員になるためには、警視庁の警察行政職員(専門職種)、地方公務員上級試験(心理職)、県警職員採用試験(研究職)などの試験に合格することが必要ですが、採用方法は都道府県によって大きく異なります。基本的には欠員補充となるため、毎年採用があるわけではありません。そのため試験倍率がかなり高く、一般的な公務員試験よりも合格難易度がかなり上がると言われています。
 科学捜査研究所の研究員は警察官ではありませんが、採用後は警察学校に1カ月間入校することになっています。ただし、警察官とは違って術科(柔道・剣道・逮捕術)はなく、座学(規律・職務倫理・法律)が中心となります。さらに1年目の秋には警察庁の科学警察研究所に入所し、研修を受けます。

・警察心理職
警察心理職は、警視庁、道府県警察に勤務する心理学を専門に学んだ職員です。ただし、科学警察研究所や科学捜査研究所の研究員と同様、警察官ではありません。非行少年の相談やカウンセリングを主な仕事とするほか、職員のカウンセリング、被害者支援、人事採用などの業務を行う場合もあります。
 警察心理職の職員になるためには、警視庁の警察行政職員Ⅰ類(心理職)、県警職員採用試験(心理職)、地方公務員上級試験(心理職)などの試験に合格し、採用されることが必要です。

犯罪心理学ってどこで学べるの?

犯罪心理学を学べる大学はけっして少なくありません。ただし、大学内に犯罪心理学専門の教員がいて犯罪心理学コースやゼミが設置されている大学と、科学捜査研究所のOB・OGなどの外部講師を招いて授業を開講している大学とがあり、後者だと犯罪心理学について専門的に学びたいという人は物足りなさを感じるかもしれません。大学を選ぶ際には、大学のパンフレットやホームページを見て、犯罪心理学の専任教員がいるかどうかをまずチェックすることが大切です。ただし、「捜査」「少年非行」「防犯」など専門とする分野は教員によってさまざまですので、特にどの分野に興味があるのかを考えながら検討するといいでしょう。

犯罪心理学は、警察の犯罪捜査に役立つだけでなく、犯罪防止、加害者の更生や再犯防止、被害者の救済など、広く社会に貢献できる学問です。また、心理学の手法を用いて「人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」「世の中をよくしたい」と考えている人にとって、国家と国民の安全を守る警察組織の中で働く研究員や心理職員は、とてもやりがいのある仕事だと言えます。ぜひ、進路選択・職業選択の参考にしてみてください。

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