電気工学とはどんな学問?
電気工学とはどんな学問?
研究対象領域の広さも電気工学の魅力
電気に関わるありとあらゆることを研究する電気工学。エネルギーとしての電気の効率的な活用方法を考える分野、電気回路や半導体について研究する分野のほか、情報・通信や光など、その研究領域は多岐にわたります。
電気工学と他の学問とのかかわり
あらゆる工学分野の基礎
電気に関する知識は、あらゆる工学分野の基礎です。ですから、機械工学や情報工学といった学問を学ぶうえでも、必ず電気工学の基本を学ぶことになります。電子工学、通信工学、情報工学は、それぞれに専門領域は少しずつ違いますが、もともとは電気工学から派生した学問ですから重なる部分が少なくありません。また、電気工学は社会づくりの基盤ともなる学問ですから、数学や物理の知識だけではなく、化学はもちろんのこと、機械、建築、土木といった工学系の学問、並びに、経済、経営、歴史、語学、環境学などとも密接に関わっています。
電気工学では何をどのように学ぶか
エレクトロニクス系では化学や材料工学に近い研究も
まず、1年次に高校範囲の物理や数学を復習し、電気工学を学ぶ基盤を固めます。さらに、電磁気学や電気回路や電子回路といった基礎科目を学び、2年次から3年次にかけては各専門領域の基本を学びながら電気について理解を深め、3年次の後期には自分の専門を選択し、研究を進めていくことになります。
電気工学はこんな人に向いている
電気工学は自分の可能性を広げたいという人にも向いている
当たり前に使っているけれど、目で見ることはできない電気。そんな電気のしくみについて疑問を持ったことがある人は電気工学でやりがいを見つけられるでしょう。また、電気に関するあらゆることを学べる学問なので、自分の興味や卒業後の進路が定まりきらない、自分の可能性を広げたい、という人にも向いているでしょう。社会の基盤づくりに興味がある人や、いわゆる理系、工学系の枠にとらわれない学びをしたい人にとっても、おすすめです。
電気工学を学んだ後の進路と今後の展望
電気、機械、IT、建設など幅広く活躍
私たちの生活に欠かせない電気は、あらゆるものづくりの基礎となるものです。それだけにその知識と技術を生かせる場は非常に多く、卒業後の進路も、電気、機械、IT、建設などさまざまです。省エネや環境問題が騒がれる現代。電気工学の発展は、そうした問題の解決のためには不可欠なのです。
電気工学の先生にきく
電気工学ではこんな研究をしています
落雷場所を正確、かついち早く突き止める
送変電設備にとっての大敵は雷です。私たちは落雷場所を正確、かついち早く突き止めるためのシステム構築に向け、研究を進めています。(湘南工科大学 工学部 電気電子工学科 成田知巳教授)
電気の安定供給に欠かせない技術を研究
発電や送電など、電気の安定供給のために欠かせない大電力技術について研究しています。中注目しているのが、回路の安全を守る遮断器という装置です。また、そうした基礎的な技術を応用して、放電プラズマの応用に関する研究も行っています。社会の発展と地球環境の両方を支える研究です。(東京都市大学 工学部 電気電子工学科 岩尾徹教授)
電気工学のここが面白い
電気をうまくコントロールし、社会を支えるインフラ構築
電気は目に見えませんが、うまくコントロールすることで、社会を支える大きな力となります。電気電子工学は、そんなインフラを構築する研究でもあります。(湘南工科大学 工学部 電気電子工学科 成田知巳教授)
電気の知識と技術は多彩なフィールドで生かせる武器
生活に欠かせない電気に関するあらゆることを扱う学問なので、学びや研究がどんなことにつながるのか、どう社会に役立つのかといったことを実感できます。また、電気の知識と技術は幅広い分野で生かせます。それを身につけることで、充実した人生のための強力な武器を手にできるのです。(東京都市大学 工学部 電気電子工学科 岩尾徹教授)
もっと先生たちに聞いてみよう
電気電子通信技術で超スマートエネルギー社会を目指す先生
東京都市大学 理工学部電気電子通信工学科岩尾 徹 教授
ビッグプロジェクトにかかわるエンジニアを育成する先生
日本電子専門学校 電気・電子分野電子応用工学科(2年)仲田 英起先生
電力業界、IT・コンピュータ業界などのエンジニアを目指せます
静岡理工科大学 理工学部 電気電子工学科本良 瑞樹 准教授
電気工学の学生にきく
電気工学を選んだ理由を教えて!
- 電気製品のしくみを知りたい、自分でも作ってみたい。
- 半導体について学び、将来の仕事としたい。
- ものづくりが好きで、電気で動くものに興味があった。
毎日の生活の中で、身の回りにある電気製品は便利だけどどういうしくみなのだろう?という疑問をもっていました。そのしくみを知りたかったのと、便利な電気製品を自分でも作ってみたいと思っていたからです。
(工学研究科 Bさん)
中学では数学や理科が得意だったこともあり、電気回路や半導体系の授業がおもしろくのめり込みました。半導体は世の中の機械のすべてに用いられている物質です。もっと半導体について学んで将来の仕事とし、世の中の役に立ちたいと思ったからです。
(工学部 電子情報システム工学科 KTさん)
私はエレクトーンを習っていたこともあり、電子楽器や音響機器に興味がありました。電気学科なら工学分野について幅広くいろいろなことを学べると思ったからです。
(工学部 電気電子物理工学科 S.Iさん)
高校生のころから、ものづくり全般に興味がありました。そのなかでも特に、電気で動くものやワイヤレス給電に強く惹かれていました。ワイヤレス給電について深く研究できる学問だったことが決め手です。
(工学部 電気通信系学科 なかぴーさん)
時間割と授業内容を教えて!
キャンパスライフの参考に、工学部 電気通信系学科1年生の時間割をチェックしてみましょう。
「微分積分」や「線形代数」「回路理論」のほかに、実験実習や語学関連も充実しています。
1年次には、「微分積分」「線形代数」「プログラミング」など、工学的基礎科目のほか、工学基礎実験もあります。2年次には、「電気回路」「電子物性学基礎」など、電気・電子の基礎を学び、年間を通して実験も行います。
3年次には、「電子回路」「電磁気学」「通信工学」「オプトエレクトロニクス」など、より専門的な科目を履修し学びを深め、4年次は卒業に向けて各々の研究や論文に取り組んでいきます。
電気工学ではこんなテーマで学べるよ!
- 電磁波を応用した無線充電など最新技術の研究。
- 身近に使われている家電のしくみや設計を実習。
- 落雷場所をいち早く特定するプロジェクトに参画。
マイクロ波の研究を行っています。最近では電磁波を応用してスマホなどの無線充電の研究をしていますが、世界的にも注目される最新技術でやりがいがあります。
(工学研究科 Bさん)
もともと家電のつくりに興味をもっていて、自分でも作ってみたいと思っていました。演習では電子レンジの加熱のしくみであるマイクロ波の性質など、使われている技術理論を学んで応用方法を考えたり、やりたいことが学べて充実しています。
(工学研究科 Bさん)
私の学校では、半導体の単結晶の成長と評価が研究できます。世の中の電子機器すべてのもととなる半導体を学び研究するため、卒業後は世の中に貢献できると実感しています。
(工学部 電子情報システム工学科 KTさん)
落雷場所をいち早く特定する世界的なプロジェクトに参画しています。落雷時に発生する電波を多地点で観測して、それぞれの観測点への到達時間の差から落雷位置を割り出します。過去の蓄積されたデータから落雷位置を割り出す解析手法も研究しています。
(工学部 電気電子工学科 S.Hさん)
電気工学で楽しかった演習やテーマを教えて!
- 実験実習で手を動かし考えた。
- 仮説を立てて検証するプロセスを卒業研究で体験。
- プログラミングの授業で、じゃんけんゲームを制作した。
実験実習が一番印象に残っています。難しい内容もありましたが、手を動かし考えながら、協力して授業に取り組んだことで、実践的な力が身についたと感じています。
(工学部 電子情報システム工学科 KTさん)
卒業研究が楽しかったです。もちろんわからないこともたくさんあり、先輩や先生方に助けてもらいましたが、授業で学んだことを活用したり、自分で仮説を立てて検証したりするプロセスが楽しかったです。
(工学研究科 Bさん)
プログラミングの授業が思い出深いです。それまでの学びを生かし、簡単なじゃんけんゲームを制作しました。実際に動いた時の感動は忘れられません。
(工学部 電気電子物理工学科 S.Iさん)
電気工学を学んでみてどうだった?
- 研究していることが世の中で活用され、とても感動する。
- 電気回路だけでなく半導体など幅広く学べる。
- 難しい学問ではあるが、非常にやりがいを感じる。
電気電子工学と呼ばれていても、半導体から物性、電気工学まで幅広いため、自分の興味のある分野をみつけられる学問だと思います。特に工学部は身の回りの生活に直結する学部なので、自分たちの研究がどんどん世の中に出ていって活用されている姿を見ると本当にうれしくなります。
(工学研究科 Bさん)
電気工学というと、電磁気や電気回路といったものを専門的に学ぶと思っていましたが、半導体など電子工学分野や、情報通信技術なども密接に関連しています。また市場が世界に広がる中では英語力も必要です。幅広く学ぶべきことが多い分野だと感じています。
(工学部 電子情報システム工学科 KTさん)
入学前に想像していた以上に難しい学問だと思いました。ですが、世の中の解明できていないことに取り組んでいるため、非常にやりがいを感じます。高校のころは物理や数学、英語を頑張っておくと、入学してからも学びやすい学問だと思いました。
(工学部 電気通信系学科 なかぴーさん)
記事はスタディサプリ編集部が電気工学を学ぶ学生に対して独自に行ったアンケートへの回答をもとに構成しており、実際の履修内容は各学校により異なる場合があります。各学校についての詳細な情報は学校ページにてご確認ください。
もっと在校生たちに聞いてみよう
好きな電気の分野でやりたい学びと将来の道を見つけた今が楽しい!
大阪産業大学 システム工学部※2025年4月開設予定 現:工学部 電子情報通信工学科 電気電子工学コース
矢野 聖紘さん
自動車の整備の知識、技術を学科や実習を通して学んでいます!
関東工業自動車大学校 一級自動車整備科
山口 紗蘭さん
電気に関わる幅広い知識を身につけ、将来は機械設計の道へ!
北陸職業能力開発大学校 専門課程 電気エネルギー制御科
池原 知樹さん
もっと卒業生たちに聞いてみよう
暮らしや社会を支えるやりがいのある仕事。「電力の安定供給」という使命感を持って経験を積み、知識と技術を深めていきたい
九州電気専門学校 電気工学科
伊藤 洋輔さん
自分が設計した回路が問題なく動作したときが一番嬉しい
東北職業能力開発大学校 専門課程 電気エネルギー制御科卒
伊藤 駿さん
人のためになる物を作り、みんなを喜ばせたいと思い機械系を選択しました
東北職業能力開発大学校 専門課程 生産技術科 卒
丹野 伶哉さん
電気工学に関連する本
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