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アクチュアリー採用で入社した新入社員は1年目をどう過ごしているのでしょうか。アクチュアリーの試験は超難関であり実務経験が必要なので、入社後、仕事をこなしながら資格試験の合格に向けて勉強することになります。損害保険会社に所属するアクチュアリーの1年目の過ごし方を説明しましょう。
数理業務がある部署で小さな案件からスキルを身につけていく
アクチュアリー採用で入社した社員は、商品開発部門や経理、リスク管理などの数理的業務が多い部署に配属されるケースがほとんどです。
例えば、商品開発部門であれば、比較的簡単で小規模な案件の料率を算出する仕事などを通じて知識と経験を積んでいきます。自動車保険の場合、一つの商品改正のなかにメインとなる大きい補償の改定もあれば、オプションでつけるような特約などの細かい保険料の調整があるので、小規模の案件から取りかかってスキルを身につけていくような感じです。案を作って経営層に説明していくのはもう少し経験を積んでからになります。
アクチュアリーの資格を取得するには最低でも2年が必要です。アクチュアリー業務に携わりながら試験勉強を続けるので、1~2年目はかなりの努力が必要です。
1年目は指導担当の先輩がつく
企業によって異なりますが、1年目は同じ部署で指導担当のアクチュアリー有資格者もしくは受験中の先輩(入社3~7年目の先輩社員が担当するケースが多い)が付いて、数理的な要素だけでなく、社会人としての基本的なマナーなどさまざまな面でサポートをしてくれるケースが多いようです。
先輩の指導のもとで、実務経験を積むとともに、アクチュアリー資格試験の合格に向けた勉強にも継続的に取り組むことになります。アクチュアリー資格取得に対しては、企業によって支援の厚さに差はありますが、多くの企業で支援する取り組みがあるようです。
あるアクチュアリーが所属する会社では、社内でアクチュアリー勉強会や合宿形式の集合研修なども開催されていて、会社として資格取得を支援する体制が整っているといいます。以前はボランティアのような形で社内の勉強会をしていたそうですが、現在は制度として正式に発足したため、アクチュアリーを育成するチームを作って、業務時間内に時間をとり、先輩の講師がしっかり問題を作るそうです。受験生も大勢いるなかで、やる気のある人、例えば昨年度にある程度の結果を出している人などを重点的に選定して、業務時間内に設定した勉強会に出ることができるようにしていると話します。
試験は7科目あるため、科目ごとに講師がいて、それぞれ中堅層ぐらいの社員が務めているとのこと。受験生のために模擬試験の作成や解説をしたり、個別で論文の添削をしたりするそうです。
受験生にとっては勉強会に出席しやすい体制ですが、講師を担当する先輩は本業の業務をこなしながらなので大変だそうです。早く試験に受かって新しいアクチュアリーの正会員となり、できれば講師も代わってほしいと笑いながら話してくれました。