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翻訳家になるために今から役立つ経験

翻訳家になるために今から役立つ経験

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翻訳家になるために役立つことにはさまざまなものがありますが、まずは日本語の勉強をすることが基本だとある翻訳家は言います。そのほかに、高校生としてできる勉強や取り組みにはどのようなものがあるでしょうか。同時通訳としても活躍する翻訳家に聞いてみましょう。

社会情勢を知るくせをつけること

翻訳家になりたいなら社会情勢に明るくなることが大切だとある翻訳家は言います。
まずは、新聞を読むこと、そしてテレビのニュース番組を毎日見たり聞いたりすることから始めましょう。これは、英字新聞や外国語のニュースではなく、日本語の新聞やテレビのことです。今、社会で何が起こっているのかを知るくせをつけるようにするのです。
例えば、平日ならNHKの夜7時や9時のニュース番組を見ることを続けてみてはどうでしょうか。勉強の時間も必要ですから、食事をしながら耳だけでも傾けてニュースを聞くようにして習慣づけてしまうと良いでしょう。
新聞を読むのが難しければ、まずは見出しから始めてみてください。興味がある内容だったら、自然と記事を読むようになっていくはずです。気になる記事があったら、翌日また新聞を読めば関連する記事が載っているので、少しずつ読む範囲が広がっていきます。そのうちに、知らない漢字を覚え、専門用語に明るくなっていくことでしょう。
社会がどう動いているかを理解しておくこと、経済について理解を深めておくことは翻訳家として言語を扱っていくうえで、とても大切なことになります。

本を読んで人の心の動きを知る

本はいろいろなことを教えてくれますから、たくさん読んでおきましょう。絵本や小説を翻訳する可能性があるので、人の心の動きが勉強できるような書物を読んでおくと、翻訳する際に役に立ちます。現代社会はネットからどんどん情報が入ってくる情報過多の世界で、情感や情緒、感受性といったものが薄れがちなため、人々の心が淡泊になりつつあります。情緒や感受性といった心理的な側面を行間から汲み取って翻訳していかないと、読者には伝わりにくいものです。翻訳には社会の最先端をいくような技術翻訳と、情緒的な解釈を加えた絵本、小説、映画などの翻訳というように、いくつかの翻訳領域や翻訳のしかたなどがあることを覚えておいてください。

基礎を勉強することがなによりも大事

英語を勉強するなら、NHKの教育番組やジャパンタイムズのアルファオンラインなどがいいそうです。基礎をしっかり学びましょう。ネットのYouTubeでも学ぶことはできますが、品質が悪いものがあるので注意が必要です。内容を見極めないと間違った英語や品のないスラングなどを学んでしまう危険性があります。どこから情報を取るかという問題はとても大きく、情報の取り方を間違えると言葉の質が大きく変わってきます。
また、海外ドラマや映画などを見て英語を学ぶという方法もありますが、一般的にはやりの言葉やスラングなどの乱れた言語が使われていることが多いので、あまりおすすめできないと、ある翻訳家は言います。
さらに、CNNやBBCなどの海外ニュースについては、使われている言語がハイレベルなので、学習の段階が進んでから触れたほうが効果的です。基礎をしっかりと学習することが、なによりも大切だということでした。

2024年8月更新
取材協力

轟なぎさ(とどろき・なぎさ)

20歳からNHKでの通訳を経て上智大学と同時通訳者養成学校卒業後、プロ同時通訳者・技術翻訳家になり、PRコミュニケーション&会議通訳エージェント、アンクレア株式会社を設立。米国テンプル大学大学院にて教育学修士課程および博士課程首席卒業。300社以上の民間企業および政府関連の同時通訳の就業実績20年以上。NTV衛星生中継同時通訳、マーケティング&PRコミュニケーション業務、広報関連のメディア・イベントおよび記者会見などの同時通訳実績だけで1000回以上あり、現在に至る。

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