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薬剤師になるには、国家資格が必要です。その国家資格を得るための国家試験を受けるには、大学の薬学部で6年制の薬学課程を修了することが条件になります。試験は年に1回しかないので、大学卒業後、スムーズに薬剤師として働くには、初めての受験で合格する必要があります。試験では薬学に関する幅広い知識が求められるので、しっかりと受験対策を立てて勉強しましょう。また、薬剤師として働くためには、国家試験に加え、就職先として希望するところの採用試験に合格する必要があります。
薬剤師国家試験とは?
薬剤師として働くためには、薬剤師国家試験に合格し薬剤師の国家資格を取得しなければいけません。試験は年1回、全国の大都市で開催されます。東京都のほか北海道、宮城県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県で行われるのが一般的ですが、その年によって変更になる可能性もあります。6年制の薬学課程を修了して卒業した人または卒業見込みの人を対象に、2日間の日程で行われます。「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」のほか、「法規・制度・倫理」「実務」など薬学に関する幅広い分野から出題されます。
薬剤師国家試験の日程は?
例年2月に実施されています。2024年は2月17日・18日の2日間。2023年は2月18日・19日、2022年は2月19日・20日でした。合格発表は約1カ月後の3月半ばとなることが多く、2024年は3月19日に厚生労働省のホームページで発表されました。
薬剤師国家試験の難易度・合格率は?
2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験での新卒(その年に学校を卒業する人)の合格率は84.36%でした。2023年2月実施の第108回薬剤師国家試験は84.86%(※2)、2022年2月に実施された第107回薬剤師国家試験では85.24%(※3)と、近年は85%前後となることが多いようです。受験する年によって難易度は変わる可能性がありますが、平均的に高い合格率といえるでしょう。ただし、その年に大学を卒業する学生が薬剤師国家試験を受ける場合は、事前に大学で実施される試験(卒業試験)を受けるのが一般的です。卒業試験に合格した学生だけが国家試験を受験できるというルールになっていることも多いため、合格率が高いのかもしれません。きちんと勉強しなければ合格できないといえるでしょう。
薬剤師免許証は更新が必要?
薬剤師国家試験に合格し、薬剤師名簿への登録申請を行って薬剤師免許証を取得した場合、その免許証の更新義務はありません。ただし、法律に基づいて、2年に一度、厚生労働大臣や都道府県知事に12月31日現在における業務従事状況などを届け出る必要があります。薬剤師の国家資格は更新制ではありませんが、薬剤師の多くは生涯学習を継続しています。国家資格取得後に、認定薬剤師や専門薬剤師の取得を目指す人もいます。
希望の勤務先への採用は?
就職活動では薬剤師の資格があることを前提に内定が出るのが一般的なので、薬剤師国家資格試験の合格は薬剤師としての就職の絶対条件といえます。官公庁に進むという道もありますが、公務員試験にも合格する必要があり、採用人数も少ないため、難関です。官公庁を目指すにしても民間企業を目指すにしても、薬学はもちろん、幅広い知識を身につけて就職活動に取り組みましょう。
もしも薬剤師国家試験に落ちたら…?
薬剤師国家試験は年に1回実施されるので、もし不合格になったとしても、翌年以降に再び受験をすることができます。ただし、国家試験の前に薬剤師として就職の内定をもらっている場合は、薬剤師資格の取得が就職の前提になっていることが多いため、不合格となると内定を取り消されてしまうことがあります。その際は、改めて就職活動も行うことになるでしょう。
(※2)出典:厚生労働省「第108回薬剤師国家試験 大学別合格者数」
(※3)出典:厚生労働省「第107回薬剤師国家試験 大学別合格者数」
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