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栄養士が仕事をするときの心がけ

栄養士が仕事をするときの心がけ

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24時間営業のスーパーやコンビニ、ファーストフード店、ファミリーレストラン、宅配グルメなどの発達により、いつでもどこでも簡単に食べ物が手に入る時代に生きる私たち。“食”の選択肢が増えて便利になる一方で、栄養バランスの偏った食生活が引き金となる生活習慣病や肥満が社会問題となっています。
 「仕事が忙しくて料理をすることもままならず、外食やコンビニ頼みになってしまう」「栄養バランスのいい食事は大切だとわかってはいるけど、何をどう食べたらいいかわからない」と悩める人にとって、大切なのは「頑張りすぎず、日常+αで継続できる食事管理の方法」を知ることです。仕事や家事育児などの生活スタイルは簡単に変えられなくても、食生活だけは実はちょっとした工夫で変えることができます。生活習慣病対策に詳しい栄養士さんは、普段どのように心がけているのか、どんなアドバイスをしているのか一緒に学んでみましょう。

「定期健診」で自分のからだの状態をチェック

特に気になる症状もなく、自分は健康に問題がないと思っている人でも、偏った食生活や運動不足が続いている場合は「まだ健康障害が現れていないだけ」「自分が気づいていないだけ」で、生活習慣病の予備軍になっている可能性があります。そのため、健康診断を毎年受け、「体重・血糖値・中性脂肪・コレステロールなどの異常値がないか」「前回と比べて数値の大幅な上昇・低下がないか」をチェックし、自分のからだの状態を正しく知ることが、食生活を整えるためにはまず大切なことになります。
また、家族の病歴を確認し、自分に起こりやすい病気を知っておくことも重要です。体質や生活習慣が似ている血縁者がもつ生活習慣病(2型糖尿病・高血圧症・がんなど)は、自身も罹患するリスクが高くなります。自分のからだの特徴や罹患しやすい病気を知ったうえで、そのリスクを上げてしまう食習慣があれば、それを早期に見直すことが必要です。

食事量・栄養バランス・食べるタイミングに気をつける

月並みな方法に聞こえるかもしれませんが、“食事量・栄養バランス・食べるタイミング”の三点に気をつけることは、食事管理の基本です。これは糖尿病と診断された患者さんに指導される食事療法の基本と全く同じ内容ですが、体質(遺伝)に加えて「高カロリー食」「高脂肪食」「運動不足」などが原因となる2型糖尿病を予防するために重要なポイントになります。

① 食事は腹八分目を心がけ、適正量を知る
 摂取するカロリーが運動して消費するカロリーを上回ると、体重が増えていきます。肥満防止のためには、自身の適性体重をキープすることを目標に、体重変化をバロメーターにしながら食べる量を調整するようにしましょう。

② 何を食べるかよりも“バランス”が重要
栄養面を考えた食事とは、「糖質・たんぱく質・脂質」のどれかに偏ることなく、野菜をたっぷり+なるべく多様な食品を食べることです。「これを食べたらダメ、あれを食べたらダメ」と考えるのではなく、バランスよく食べることを心がけましょう。食事で摂取するエネルギーの理想的な配分は、炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%、脂質20~30%とされていますが、毎食厳密に守ることは困難です。炭水化物(糖質)の過剰摂取は血糖値を上昇させやすく、脂肪となって身につき体重が増加しやすくなるため、まずは炭水化物に食事内容が偏らないよう気をつけるといいでしょう。例えば、ごはんを毎食お代わりする、おにぎりやパンだけの食事、ラーメン+チャーハンの重ね食べなどの食習慣がある人は要注意です。
ちなみにたんぱく質や脂質は、糖質に比べて体内で血糖に変換されるスピードが緩やかですが、過度に糖質を減らしてたんぱく質と脂質を摂り過ぎると動脈硬化(※)のリスクが高まることも考えられるため、厳しい糖質制限はオススメできません。炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく食べ、乳製品・果物・魚・大豆製品などなるべく多様な食品から栄養素を摂取する食事をイメージしましょう。

※動脈にコレステロールや中性脂肪などが溜まり、詰まったり硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態を指します。動脈硬化になるとスムーズに血液が流れなくなり、動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まると言われています。

③ 欠食・間食・夜食を控えて「一日三食」きちんと食べる
 夕食が遅い時間になり過ぎないよう、また、食事と食事の間隔が空きすぎないよう、規則的な時間に食事をすることも心がけたいポイントです。朝食を抜いて二食にしたり、夕食が遅くなって食事の間隔が空きすぎたりすると、食後、急激に血糖上昇しやすくなります。

糖質の摂り過ぎ&食後の血糖上昇ってどんなリスクがあるの?

食後、瞬間的に血糖値が上がることは健康な人にも起こりうることで、それ自体に大きなリスクがあるというわけではありません。ただし、炭水化物や甘い物の摂り過ぎなどによる食後の高血糖を繰り返す生活を続けていると、血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の細胞が疲弊してインスリン分泌機能が低下し、慢性的な高血糖、さらには糖尿病の発症につながってしまいます。血糖値の急上昇を抑えるためには、野菜→肉・魚→米と食べる順番を工夫することも有効です。

お惣菜やコンビニは+αで賢く利用を

最近では、スーパーやコンビニでも栄養バランスを補完してくれるレトルト惣菜の品揃えが充実してきました。これらのお店で食事を調達する場合は、おにぎりやパンの主食に偏らないよう、これらの惣菜・サラダ・スープ・食物繊維多めで糖質の少ない野菜ジュースを添えるなどするといいでしょう。パンを選ぶなら具沢山のサンドイッチにするのもオススメです。また、電子レンジで加熱orさっと湯がくだけで食べられる冷凍のカット野菜をパスタ・カレー・スープなどにちょい足しするのも◎。ちょっとした工夫で栄養バランスがぐっと改善されます。
ほかには、たんぱく質(肉・魚・貝・豆・卵など)と炭水化物(芋・かぼちゃ・蓮根など)と脂質(肉・魚・オイル・ごまなど)とビタミン&ミネラル源になる野菜を入れた具沢山スープを時間がある日に作り置きしておくと便利です。忙しい朝はこのスープを食べるだけでもOKなので、時短にもつながりますよ。
ちなみに、毎食・毎日完璧であることをめざさなくても大丈夫。足りない栄養素があったなら翌日意識して摂るようにするなど、数日間のうちに調整をして帳尻を合わせるだけでも十分です。まずは今から一歩、踏み出してみましょう。

普段口にしている食材がどの栄養素に分類されるのかをざっくりと知っておき、各栄養素をバランスよく摂取できるメニューを意識することが食生活を整えるための基本になります。
食べることは生きることであり、私たちの命の礎になるものです。ですから、栄養や食の知識は、栄養士や管理栄養士だけが知っていればいいものではありません。これらは家庭科の教科書やインターネットな上でも知ることができますし、栄養士や管理栄養士の養成学校ではより幅広く深く学ぶことができます。
栄養や食に興味が湧いた人は、進路の一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

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