• スタディサプリ 進路(大学・専門学校)
  • 学問を調べる
  • 機械工学
  • 研究

機械工学ではこんな研究をしています

専門は、ナノ・マイクロ加工です。10億分の1までの精密な加工を実現する研究で、小さなものだけでなく、大型機械にも大いに活用されています。また、独創的な発想をする創造設計の力や、失敗から学ぶ失敗学についても、機械工学の今後の発展につながると考え、力を入れて取り組んでいます。(東京大学 工学部 機械工学科 中尾政之教授)

※このコンテンツは2017年~2018年の取材に基づき構成しています

大型機械にも活用されるナノ・マイクロ加工

肉眼では確認できないくらい精密なレベルでの加工を研究

ナノ・マイクロ単位の精密加工機械に関する新しい技術や、新しい機械を開発するための研究をするのが機械工学です。その中でも私が研究対象としているのがナノ・マイクロ加工です。
ナノは、10億分の1、マイクロは、100万分の1を表す単位です。つまり、私が研究しているのは、肉眼では確認できないくらい精密なレベルでの加工ということになります。こうした加工技術の研究では、顕微鏡や、高精度のセンサー、あるいはX線などを用いて実験の値を測定し、分析していくということになります。
精密加工というと、精密機械や小さな機械のためのものと思われがちですが、実はそんなことはありません。たとえば、建設機械などの大きなものでも、そうした加工技術は求められるようになってきているのです。なぜなら、これまでの機械工学研究で大きな部分の問題はすでに解決されており、残るは細かいところだけという状態になっているからです。
一例を挙げると、レーザーによる溶接があります。高出力のレーザーは肉眼では見られませんし、近寄ること自体が危険です。そこでX線を使って測定し、理論値と測定値が合っているか確かめるというわけです。微細な違いでも積み重なれば大きな違いになりますし、それが大型機械であればなおさらです。理論的に求められた強度や材料資源の効率的な活用、動作などを実現するためにも、こうした細かな部分を突き詰めていくことは重要なのです。

「肉眼では確認できないナノ・マイクロレベルの加工技術を研究しています」と語る中尾政之教授

創造設計と失敗学が日本の機械工学の発展につながる

私の研究分野には創造設計や、失敗学というものもあります。創造設計はその名のとおり、今までにない独創的なものを生み出すこと。そして失敗学というのは、失敗に落ち込んだりそれを叱責したりするだけでなく、そこから学び、同じ過ちを繰り返さないためにはどうすればいいかを考える学問です。
機械工学とは直接的な関係がないようにも思われるかもしれませんが、実はこれらの考え方は非常に重要なのです。たとえば、歴史的に見ても、日本は外国から知識や技術を取り入れ、それを応用させたり発展させたりすることで成長してきました。しかし、それゆえに独自のものを一から生み出すというのは、苦手としてきた分野でもあります。また、試行と分析を繰り返す機械工学において、失敗学の考え方はそのまま実験に生かせるものです。
創造設計の力と失敗学の手法が身につけば、日本も外国に引けを取らない新たな技術や機械を生み出せるようになる。だからこそ学生たちには、これらの力を伸ばしてほしいと考えています。

取材協力:東京大学 工学部 機械工学科 中尾政之教授

全国のオススメの学校

機械工学とはどんな学問?

機械工学と他の学問とのかかわり

機械工学では何をどのように学ぶか

機械工学はこんな人に向いている

機械工学を学んだ後の進路と今後の展望

機械工学ではこんな研究をしています

機械工学のここが面白い

もっと先生たちに聞いてみよう

Photo

分解・組立もできる腕利きの整備士に導いてくれる先生

阪和鳳自動車工業専門学校 自動車整備専門科
大西 輝行 先生

Photo

機械工学で、人々の悩みを解決することをめざす先生

追手門学院大学 理工学部機械工学科
土井 正好 先生

Photo

専門的な視点から、AIを学ぶ学生の力になってくれる先生

大阪電子専門学校 情報エンジニア科
河原 吉伸教授

もっと見る

もっと在校生たちに聞いてみよう

Photo

機械設計技術者になるため機械製図について勉強中!

中国職業能力開発大学校 生産機械技術科
黒田 花凛さん

Photo

充実した学習環境とアントレプレナーシップ教育で日々成長中!

崇城大学 工学部 機械工学科
生野 耕大さん

もっと見る

もっと卒業生たちに聞いてみよう

機械工学に関連する本

大学・短大

専門学校

機械工学を学べる学校を探すならスタディサプリ進路
RECRUIT