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保健師

保健指導を通して地域で暮らす人々の健康を守る、予防医療のエキスパート
保健師とは、保健所や保健センター、地域包括センター、企業、病院、学校などに勤務し、健康相談・保健指導などを通して、地域の人々の健康を支える活動をする仕事です。病気の患者さんの治療・回復をサポートすることが看護師の仕事である一方、保健師は病気になる人を1人でも少なくするための「予防」や「対策」の呼びかけ、そして地域社会全体に働きかけて健康づくりを支援することが職務のメインになります。保健師として働くには、看護師免許と保健師免許の取得が必須となり、そのために卒業と同時に2つの国家試験受験&合格を目指せる4年制の大学や専門学校に入学するほか、看護師免許を取得した後に保健師養成学校で1年以上の学習を経て保健師免許の取得を目指す方法があります。(2024年9月更新)
保健師
保健師<国>

保健師

地域に密着した、健康管理のアドバイザー
看護師が主に病気の治療をサポートするのに対して、保健師は病気予防の立場から、人々が健康な生活を送れるよう指導を行う。保健所・保健センターなどにおいて、集団検診や母子保健活動、高齢者のケアなどに従事するほか、事業所で働く人々の健康管理なども担っている。看護師の免許(または受験資格)を取得したうえで、保健師養成所などで学ぶ必要があり、医療全般に関する幅広い知識と技術が求められる国家資格だ。
看護師<国>

保健師

医療の第一線を支える重要な役割。保健・医療・福祉分野で活躍する
看護師の主な仕事は、医師の指示に基づき、診療の補助をしたり、患者の療養上の世話を行うこと。高度化・専門化する医療体制のなかで、患者と医療スタッフ間のコミュニケーションを円滑にし、患者の心のケアにあたるといった重要な役割も担っている。資格取得には看護学校などで学んだ後、看護師国家試験に合格する必要がある。学校では熱心な指導が行われるため、試験の合格率は高く、取得後の就職率も高い。
全国のオススメの学校
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今回話をしてくれたのは

PROFILE

一般社団法人 全国保健師教育機関協議会

1980年10月に設立。保健師養成学校が任意参加している団体として、保健師教育機関の発展と保健師教育の充実を図り、公衆衛生の向上と国民の健康生活に寄与するための研修、調査研究などさまざまな活動を行っている。

保健師の学校の選び方

POINT
保健師になるための学校を選ぶ場合、まずは看護師と保健師の両方の免許をどのように取得するかを考えた進路選択が重要になります。免許のダブル取得を目指す場合は4年制の大学や専門学校、また3年制の短大・専門学校で先に看護師免許を取得し、その後1年制の保健師養成学校に行く方法もあります。

保健師に求められる人物は?適性を知る

POINT
保健師に向いているのは、「人のために」という想いを行動のモチベーションにできる人です。なぜなら保健師は、病気やけがを未然に防ぐため人々の健康を「縁の下の力持ち」として支える仕事だからです。また、年代を問わずさまざまな人に保健指導やカウンセリングを行いながら、健康問題の解決を目指してそれぞれの生活環境などを細やかにヒアリングするため、人とのコミュニケーションが苦にならないことが望ましいでしょう。健康維持や増進といった予防医療の分野ははっきりとした結果が見えないことが多く、効果が表れるまでに時間もかかるため、物事に粘り強く取り組めるかどうかも重要になります。

保健師の必要な試験と資格は?

POINT
保健師として働くには、国家資格である「看護師免許」と「保健師免許」が必須です。どちらか片方を取得しただけでは、保健師として働くことはできません。いずれも年に1回行われる国家試験を受験することになりますが、受験資格が定められており、誰でも受験できるというわけではないので注意が必要です。受験資格を得るには、大学や専門学校など、看護師と保健師の養成学校に通って所定のカリキュラムを修了するのが一般的な方法です。2024年2月に実施された第113回看護師国家試験の新卒合格率は「93.2%」、第110回保健師国家試験の新卒合格率は「「97.7%」。いずれも例年90%前後で推移していることから、養成学校で地道に勉学に励めば、免許取得そのものはそれほどハードルが高くないといえます。ただし、ダブル取得を目指す場合は2種類の試験対策を並行して進めることになるため、難易度は少々上がると考えておいたほうがいいでしょう。

保健師を目指せる学校の学費(初年度納入金)

POINT
大学・短大
初年度納入金
67万 4000円
 ~ 591万 5000円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
専門学校
初年度納入金
52万円
 ~ 189万 3000円
学費(初年度納入金)の分布
学部・学科・コース数
※ 
記載されている金額は、入学した年に支払う学費(初年度納入金)です。また、その学費(初年度納入金)情報はスタディサプリ進路に掲載されている学費(初年度納入金)を元にしております。卒業までの総額は各学校の公式ホームページをご覧ください。
保健師の仕事内容

保健師の仕事内容

保健師の職務は個人への指導はもちろん、地域社会全体へ働きかけて人々の健康を支援することです。 医療機関や企業、学校など勤務場所や立場によって業務は大きく異なりますが、基本的には「このままだと病気になる可能性がある」と診断されたり、身体のことで不安を抱える人に対し、生活改善のため食事や運動などのアドバイスやサポートを行います。また、健康診断や日々の相談業務を通じて人々の健康管理・健康増進に気を配るほか、新型インフルエンザなど感染症の拡大を防ぐことにも尽力します。看護師が病気の患者さんの治療を支える立場だとすると、病気を未然に防ぎ、地域住民の健康的な生活を守る「予防医療」にあたる立場が保健師。指導の対象は乳幼児から高齢者、妊婦、障がい者と幅広く年齢も問わないため、どんな状況にも柔軟に対応できる知識に加え、多くの人々と分け隔てなく接することができるコミュニケーション力も求められる仕事です。

保健師の気になる?年収・給料・収入

POINT
保健師の年収は職種や勤務先などによって大きく差がありますが、国家公務員の場合は平均年収約563万円、地方公務員(全体)の平均年収は約575万円です。保健所、市区町村の保健センターや役所、企業、病院、学校など、保健師には多種多様な活躍の場があり、またその立場はさまざまで、公的機関に勤める場合は公務員、民間の企業や病院に勤める場合はいち社員・職員という位置づけになります。そのため、就職先によって給料や年収にも大きな違いが出てきます。厚生労働省などで働く国家公務員に比べ、感染症予防・医療や勤務時間外の救急業務に携わる機会の多い地方公務員は特殊勤務手当などの諸手当が高くなる傾向があり、その差額が平均給与や年収の違いに影響を与えているようです。また、規模も利益も大きい企業に勤務する産業保健師の場合、それを大きく超える年収を手にしているケースもあるようです。

保健師の就職先・活躍できる場所は?

POINT
保健師の就職先でもっとも多いのが市区町村の保健センターや役所で、全体就業者数の51.6%が該当します(※)。そして、保健所の17.1%、病院の7.7%、事業所(企業)の7.0%と続きます(※)。そのほかにも、診療所、訪問看護ステーション、大学や専門学校、私立の小学校・中学校・高校、介護施設、社会福祉施設などで働くほか、国際協力機構JICAやNGOに所属する人も。選択肢はさまざまあることから、保健師として誰を相手にどう自身の力を発揮したいのかによって、フィットする就職先は変わってくるといえるでしょう。なお、保健所、保健センター、役所などで働くためには、国家公務員試験または地方公務員試験に合格する必要があります。(※厚生労働省/令和2年衛生行政報告例の概況より)
  • 一般企業
  • 市町村役所
  • その他行政機関
  • 病院
  • 保健所
  • 大学

保健師のズバリ!将来性は?

POINT
保健師の仕事の将来性としては、メンタルヘルスケアにおけるニーズが増加&多様化している現状を踏まえると、“人の心”に寄り添う職業として今後よりいっそう求められていくといえるでしょう。その背景としては、少子高齢化に加え、生活習慣病患者やうつ病患者、ニコチン・アルコール・薬物依存患者、過労やいじめ、精神疾患を引き金にした自殺者の増加など、社会構造の変化などがあり、医学的知識をバックボーンにしつつ身体と心の両面のケアを行える保健師は、人が生きていくうえで抱えることになるさまざまな問題に対処できる人材として、重要性が年々高まっているからです。これまで保健師の仕事は“病気の予防”“感染症の拡大阻止”など公衆衛生の側面から語られることが多かったのですが、“心の予防医療”にも注目が集まっているとともに、行政・企業・病院・学校・介護と保健師が活躍できる分野は幅広いぶん、ますますニーズが高まっていくと見られます。

保健師の先輩・内定者に聞いてみよう

保健師を育てる先生に聞いてみよう

保健師を目指す学生に聞いてみよう

保健師のやりがいを聞いてみよう

人が生きていくうえで何より大切だと言ってもいい、“健康”を守る立場であることから、「人の役に立っている、必要とされていると感じられる瞬間が何よりうれしい」と語る保健師さんが多いです。目の前にいる人をサポートし、直接お礼の言葉をかけてもらえるだけでなく、保健師としての活動が新型ウイルスや感染症の大流行を防ぐ有効な一手になるなど、目に見えない部分でも多くの人を救えるというのが“予防医療”の専門家としてのやりがいと言えるでしょう。人の健康、さらには命を守るという仕事はプレッシャーも大きいですが、その責任の大きさが、そのままこの仕事のやりがいの大きさにつながっているようです。

保健師の志望動機を教えて!

保健師は、地域全体の健康を守るのが使命。そのため、「自分が生まれ育った地域に貢献したい」という想いから志望したという声はよく聞かれます。また、虐待やネグレクト、産後うつによる自殺、高齢者の孤独死などの悲しいニュースを耳にし、「そんな悲しみを少しでも減らせるために、自分は何かできないか」と考えるようになったという人も。「赤ちゃんからお年寄りまで、地域で暮らすあらゆる人々の“幸せ”を守るために自分が学んだ知識を生かしたい」。そんな熱い想いをもってチャレンジをする先輩がたくさんいる世界です。そのほか、自身が学生時代に保健室の先生にお世話になった経験から、「○○先生のように頼りがいのあるやさしい保健師さんになりたい」と学校保健師を目指す人もいます。
もっと詳しく調べてみよう

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保健師の1日のスケジュール

COLUMN
保健師の1日のスケジュール
看護師の資格をもつ保健師には、市区町村の役所、企業、学校など、さまざまな活躍の場があります。そのため、勤務先によって1日の過ごし方も異なります。ここでは企業グループの健康保険組合に勤務する産業保健師と、スタートアップ企業でアドバイザーをおこなう保健師の1日の過ごし方を見てみましょう。

保健師の持ち物を見せて!

COLUMN
保健師の仕事用カバンには、どのようなものが入っているでしょうか。2名の保健師にカバンの中身を見せてもらったところ、活躍する場は異なるため、もち歩いている資料もそれぞれに特徴がありました。スタートアップ企業でアドバイザーをおこなう保健師と産業保健師として活躍する2名のカバンの中身を説明しましょう。

保健師の1年目はどうだった?

COLUMN
保健師は最初の1年目をどのように過ごしているのでしょうか。同じ保健師でも、どのような組織に所属するかによって1年目の過ごし方は変わります。ここでは企業の健康保険組合に入社した産業保健師と、市へ入庁後、区役所に配属された行政保健師の1年目を見てみましょう。

保健師の歴史を知ろう

COLUMN
2001年の法律改正により保健婦から保健師に名称が統一されました(2002年施行)。時代の流れとともに変わっていく健康問題に関して、保健師はどのように対処してきたのでしょうか。保健師の歴史についてひも解いてみましょう。

保健師のキャリアパス

COLUMN
保健師は活躍する場が広いため、キャリアステップの考え方もさまざまです。具体的には、就業先での昇格、行政から企業への転職によるキャリア構築、大学院へ進学し専門性を高めることが挙げられます。保健師が歩む代表的なキャリアステップについて説明しましょう。

保健師の20年後、30年後はどうなる?

COLUMN
保健師の活躍の場は現在広がっていますが、20年後、30年後はいったいどうなっているでしょうか。AIが発達していくにつれ、保健師の仕事や働き方はどのように変化していくのでしょう。ある保健師の考え方を踏まえて、これからの保健師の働き方について説明しましょう。

保健師になるために今から役立つ経験

COLUMN
保健師として働くためには看護師と保健師の国家資格、両方を取得する必要があります。国家資格を取得するためには高校卒業後、看護大学や専門学校への進学が必須です。では、保健師を目指すうえで役立つ勉強・取り組みにはどのようなものがあるでしょうか。ある保健師に聞いたアドバイスを含めて説明しましょう。

保健師になるための勉強時間・やり方

COLUMN
看護師と保健師の国家資格、両方を取得するために、効率的な勉強方法はあるのでしょうか。また、勉強時間はどの程度必要なのでしょうか。高校生のころから勉強のしかたを身につけておく大切さを踏まえて、ある保健師が経験した勉強方法について説明しましょう。

保健師が仕事をするときの心がけ

COLUMN
健康への関心は年々高まっています。いかに毎日を生き生きと過ごし、元気に歳を重ねていけるのかという点は誰もが興味をもっていることでしょう。そのための手助けやアドバイスをおこなう保健師はどのような思いで仕事をしているのでしょうか。仕事をするときの心がけについて聞いてみました。

保健師の楽しいことと大変なこと

COLUMN
保健師が仕事をするうえで感じる楽しいこと、大変なことにはどのようなことがあるでしょうか。活躍する場によって、楽しいこと、大変なこともそれぞれで異なるようです。2名の保健師に個人的な見解を含めて、感じていることを聞いてみましょう。
全国のオススメの学校
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保健師<国>の就職先

保健師<国>の就職先

保健所・保健センターが主な働き場所。このほか、保健福祉関連施設、医療機関、一般企業・事業所などで働く。
保健師をとるには

保健師<国>をとるには

保健師<国>の受験資格

(1)文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校(以下「指定学校」という。)において1年以上保健師になるのに必要な学科を修めた者(修業する見込みの者を含む。)(2)文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、都道府県知事の指定した保健師養成所(以下「指定養成所」という。)を卒業した者(卒業する見込みの者を含む。)

保健師<国>の合格率・難易度

合格率
93.7%
2023年2月(第109回)

資格団体

厚生労働省
電話:医政局 医事課 試験免許室03-5253-1111
URL:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/
全国のオススメの学校
全国のオススメの学校
看護師<国>の就職先

看護師<国>の就職先

病院や診療所などの医療機関が主な活動場所。最近では、高齢社会における在宅での看護ニーズが高まり、訪問看護ステーションや地域の保健福祉関連施設などでも、看護師の専門的な知識や経験が求められるようになっている。
保健師をとるには

看護師<国>をとるには

看護師<国>の受験資格

看護師国家試験の受験資格は、文部科学大臣の指定した学校において3年以上、看護師になるのに必要な学科を修めた者や、厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業した者など。

看護師<国>の合格率・難易度

合格率
90.8%
2023年2月実施標記試験(第112回)

資格団体

厚生労働省
電話:医政局 医事課 試験免許室03-5253-1111
URL:https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/

大学・短大

専門学校

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