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診療放射線技師の歴史を知ろう

診療放射線技師の歴史を知ろう

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現代の医療では、正確な画像診断のためには診療放射線技師による検査が欠かせません。その歴史は、1895年のX線の発見に始まります。診療放射線技師の業務が確立され現在に至るまで、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。診療放射線技師に期待される将来の役割についても解説します。

X線の発見とCTスキャンの発明

診療放射線技師の歴史年表
診療放射線技師の歴史年表

X線の発見とCTスキャンの発明は、医療に革命を起こしました。放射線医療の歴史は、1895年にレントゲン博士がX線を発見したことから始まります。1972年にはハンズフィールドとコーマックがCTスキャン(Computed Tomography)を開発し、X線の情報をコンピュータで計算して人体の断面の画像化に成功しました。

日本における診療放射線技師の歩み

日本では、診療放射線技師は医師・歯科医師の指示を受けて、放射線を人体に対して照射する業務をまかされています。
1951年(昭和26年)、医療の質を保証し、医療技術者の資質と身分の安定を図ることをねらいとして、診療エックス線技師法が定められ、診療エックス線技師の国家資格が始まりました。その後、医師の補助者として診療用放射線全般を取扱う医療技術者が強く望まれるようになりました。
1968年(昭和43年)には診療エックス線技師法が一部改正されて新たに診療放射線技師法が制定され、「診療放射線技師」の資格が創設されました。
CT装置の分野では、日本では1975年(昭和50年)に初めて導入され、脳外科の分野で革命的メリットをもたらしました。CT装置は情報量が多く、位置情報が正確であるという特徴があるため、すぐに各臓器にも応用され、診断に不可欠の検査となりました。当時は一回の検査に長時間を要しましたが、技術の発展により高速撮影が可能になりました。また、現在では精度の高い3D画像を数秒で撮影できるうえ、動いている心臓も静止しているように撮影することができます。

医療の高度化とともに、診療放射線技師の役割も拡大

放射線を用いた検査や治療は、現在の医療になくてはならない重要な役割をはたしています。また、X線を用いた検査のほかにも、MRI検査や超音波検査、放射性医薬品を用いた核医学検査など、検査の高度化が進んでいます。ほかの医療スタッフと協力して良質なチーム医療を提供することも求められます。
そのような流れを受けて、2010年(平成22年)には、診療放射線技師の仕事として「画像診断における読影の補助や放射線検査などに関する説明や相談を行うこと」が新たな役割として追加されました。さらに2014年(平成26年)にも診療放射線技師法が一部改正されて業務内容が拡大されています。
日本では、世界と比べて人口あたりのCT普及率が突出しています。高度な医療を受けやすい反面、医療被ばくの増加が注目されています。病気の発見ができるといったメリットがあるため医療被ばくは線量の限度がありませんが、極端に多い被ばくはデメリットもあります。なぜ撮影が必要なのかといった正当化と同時に、可能な範囲で撮影線量を抑える最適化が重要です。患者さん個々の被ばく管理を求められるようになり、各病院で医療放射線の安全管理を行う医療法の改正も2020年に施行されます。
医師や歯科医師でなくても、診療放射線技師が安全管理責任者になれる状況もあり、今後も放射線機器の高度化に伴ってさらに業務が拡大するでしょうし、専門性も増していくでしょう。放射線のスペシャリストである診療放射線技師は、それらを使うだけでなく、適正に管理していく業務も期待されるようになるだろうと思います。

取材協力

菅谷正範(診療放射線技師)

千葉県出身。高校生の頃、医療系の仕事に興味をもち、得意分野の物理や生物の知識を生かせそうな診療放射線技師を目指し専門学校へ進学。2006年に診療放射線技師の資格を取得し、日本医科大学付属病院に就職。その後、第一種放射線放射線取扱主任者や各種認定資格を取得しながら日々の業務に励んでいる。

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