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調理師の楽しいことと大変なこと

調理師の楽しいことと大変なこと

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料理を作ってお客さまに提供する調理師は、どのような部分に仕事の楽しさ・やりがい・大変さを感じているのでしょうか。食にかかわる調理師ならではのだいご味や、スキルアップが実感できるよろこび、自己満足では評価されない厳しさなど、さまざまな点から見ていきましょう。

おいしい笑顔に出会える、調理師としてのスキルアップが実感できる

調理師の仕事のやりがい・楽しさとは、生きていくために欠かせない「食」にかかわり、料理を通して誰にでもアプローチできること。そして、食べてもらった人からすぐに反応が返ってくることです。たとえ言葉は通じなくても、おいしい笑顔は万国共通。おいしい料理を提供することで、相手の笑顔とともに心が通じ合えるのは、この仕事ならではのだいご味といえるでしょう。
そもそも調理師は、自分も食べることやおいしいものが好きで、「おいしさで人をよろこばせたい」という思いをもって仕事をしています。だからこそ、自分が心を込めて作った料理を食べた人が、目の前で「おいしい!」と笑顔になったり、凝った盛り付けで「わーっ、すごい!」とよろこんだりしてくれるのが、最高にうれしい瞬間なのです。
また、調理場で修業を重ねるうちにスキルアップが実感できるのも、大きなやりがいにつながります。例えば、包丁を自由自在に扱えるようになったり、量らなくても調味料・塩加減の勘が身についたり、ワンランク上の調理が手早くできるようになったり。こうしてプロの調理師に近づいていくことが、仕事を続けていく上でのモチベーションや、日々のよろこび・はげみとなるのです。技術が身につくたびに、おいしい料理が作れるようになるたびに、調理師としての自信や誇りも感じられるようになるでしょう。

自己満足ではいけない、常に自己研鑽が求められる

食べ物の好き嫌いや味付けの好みなど、食の嗜好は人によって千差万別です。ですから、さまざまなお客さまに料理を提供する調理師は、押しつけや自己満足ではいい仕事はできません。プロとして自分の判断基準をもつことは当然ですが、一人ひとりのお客さまによろこんでもらうためには、相手に合わせて臨機応変に対応する心づかいも必要です。お客さまの苦手な食材がわかっていれば、別の食材に替えてアレンジしたり、常連さんが頼む料理や反応を見て好みを知り、味加減を微妙に調整したりと、相手を察する気配りやセンスも求められます。
さらに、年々変化する食の志向やトレンドに応じてメニューを刷新するなど、お客さまに飽きられないための工夫も必要です。もちろん、新メニューの創作においても自己満足はNGです。試行錯誤を重ねて完成させた自信の新作メニューが、いざ投入してみたら食べ残しばかり、オーダーもほとんどナシ…なんてことも少なくありません。いまの時代、何が求められているのかをしっかりと把握した上で、いかに自分のセンスを盛り込みつつ、魅力的なメニューを創り上げていくか。その答えを導くためには、ひたすら勉強と研鑽あるのみです。

取材協力・監修

上杉大介※2020年8月26日更新

調理師。株式会社杉六 代表取締役。高校卒業後、調理専門学校を経てホテル・居酒屋・懐石料理店等の様々な飲食業種で修行。調理技術と共に接客経営業務も経験後、2006年、28歳で独立開業。2011年、株式会社杉六設立。現在も「食(和食)」「お酒(日本酒・焼酎)」全て国産にこだわった業種を展開中

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