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看護師の20年後、30年後はどうなる?

看護師の20年後、30年後はどうなる?

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日進月歩のITのなかでも、特にAIの技術の進化は医療業界にさまざまな影響を与えています。人手不足と言われる看護師の世界ですが、AI技術の発達は看護師の業務にどのように役立つのでしょうか。20年後、30年後の看護師の仕事はどうなっていくのか、見てみましょう。

発達するAI技術を医療の現場で活用し効率化を図る

少子高齢化の波を受けて高齢者が増え、今後はケアを受ける人の層が厚くなっていきます。看護師はすでに人手不足の分野であり、医療を提供できる人がさらに少なくなることが懸念されています。そんな状況の中、ベッドからの移動をスムーズに行うことができる介護ロボットや医師が立体画像を見ながら遠隔操作で手術を行う手術支援ロボットなどの出現により、医療の現場には画期的な変化がもたらされるようになってきました。
AI技術の発達によって、看護師の仕事はどの程度軽減できるでしょうか。もし、AIが患者さんの毎日の検温や検査などに対応できるとしたら、どうでしょう。提示された検査結果を看護師や医師がチェックして、今後の治療プランを立てて活用していくことが可能になるかもしれません。そうなると、日々の業務が少しは軽減され、余裕をもって患者さんに対応できるはずです。
地域には家で過ごす高齢者がたくさんいます。一人暮らしの人が介護や看護を受けながら暮らす場合、AIを導入することで常に高齢者に目を向けることができます。万が一、何かあったときには医師や看護師に直接通知することが可能になれば、今よりは安心して暮らすことができるでしょう。

さらに深くなる看護師の役割

AIを活用することで、煩雑な事務処理は正確かつスピーディに代行してもらえるはずです。すると看護師は今よりも患者さんのために時間を費やすことが可能になります。看護師が患者さんに寄り添い、人としてわかりあうという看護師本来の役割を発揮することができます。
看護の視点からAIにはできない業務が山ほどあります。例えば、終末期で何も食べられない患者さんがいるとします。看護師は患者さんが好きな香りのアロマを焚いて体を拭きます。その後、温めてあげることで患者さんがリラックスできれば、食べたいという気持ちを起こさせることができます。命は限られていますが、思い出のある食べ物を家族と一緒に食べて、最後の時間を悔いなく全うできた、と感じたとしたら、それは看護の一つになります。看護師が体を触って硬さやむくみ、熱感を診たりすることや、嗅覚も使って状態を判断することは、AIには難しいでしょう。
また、「昨日は眠れましたか」という問いかけに、3時間しか眠っていなくても「よく眠れた」と言う人もいます。顔色やクマができているのを見れば一目瞭然ですが、患者さんはその人の軸に基づいて話をしてくるので、そこをどうとらえるか、相手の状況をさまざまな角度から推し量ることができるのが看護師なのです。
膨大なロジックや経験値が組み込まれてAIが成長していくとしても、看護師のもつこのような領域に到達するのはまだまだ厳しいはずです。看護師は臨機応変にやらなければならないことが多いですが、緊急時の対応やとっさの判断などにおいて、もしAIの協力を得て分業によって共存していくことが可能だとしたら、それが一番望ましい形だと言えるでしょう。

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