神奈川県川崎市にある研究所で、「評価・分析室 構造解析グループ」という部署に所属しています。ここには調味料や冷凍食品、医療品や電子材料に至るまで、さまざまな部署から分析案件が舞い込みます。例えば食品であれば"おいしさ"を構成する成分がどのくらい入っているか、開発中の製品がデザインした通りにできているかなど、目視や試食では判断が難しい場面で分析データという客観的な指標を示し、課題解決に貢献する役割が求められています。また時には、思いがけない新発見に繋がることもあります。分析を通じて当社の多彩な事業に触れるのは大変に面白く、開発を推進する力にもなれるのでやりがいも感じています。
もともと食べることが好きで、人の健康や生命に関することにも興味がありました。またせっかくなら、大学の授業で得た知識を生かせる職種に就きたいとも考えていました。そこで就職活動では、食品メーカーや医療・医薬品メーカーなどを中心に探していました。身近な食品会社であった当社を志望したのも、そうした理由からです。気持ちが固まったのは面接の時でした。担当の方が、大学での研究の話なども非常に熱心に聞いてくださったんです。その際に、こうした方と同じ職場で働いてみたいと強く感じるようになりました。
大学時代は、現在の仕事に近い有機化学を始め、無機化学、微生物、食品、植物、土壌など、広い分野を学ぶことができました。授業はもちろん、実習や研究室の活動などを含めたすべての勉強が、現在の仕事をする上で欠くことのできないバックグラウンドになっていると思いますね。今でも仕事中に疑問点などがあると、大学当時のノートを見返してみることもよくあります。私は研究室で、ニンニクの臭気物質を研究テーマとしていたのですが、現在の部署に配属された際に、まったく同じ物質を扱ってほしいといわれ、驚いた経験もあります。
味の素株式会社 アミノサイエンス事業本部 バイオ・ファイン研究所 勤務/生物資源科学部/2014年卒/谷田さんは入社後、乳牛用サプリメントの開発に携わった後、2019年に「評価・分析室 構造解析グループ」に配属になりました。谷田さんのモットーは「早く正確に」。商品開発には期限があるため、解析にもスピード感を求められますが、今後の開発をも左右しかねない解析結果については正確さを最優先し、緊張感を持って仕事に取り組んでいるそうです。学生時代にはバンドでギターを担当していたという音楽好きの谷田さん。現在はJ-POPなどの鑑賞をメインに楽しんでいるといいます。